庭園のご案内
東御門や巽櫓など、歴史的な遺構を今に伝える駿府城公園。
「紅葉山庭園」は、この歴史的背景を活かし、城郭の大名庭園に見られるような、遊びと楽しさを基調として創られました。駿河の国の名勝を織り込んだ4つの庭を中心に、四季折々の表情を味わいながら、実際の風景をも心に想う。そんな意匠をもった庭園を目指しました。
紅葉山庭園 順路図
里の庭
玄関門を入り、まず最初に出会うのが四阿周辺の「里の庭」。牡丹、飛び石で巡る梅林、八つ橋周辺の花菖蒲と、色鮮やかに、可憐に咲き誇る花の園です。四阿から眺める庭園は絶景。清々しい空気の中、しばし時を忘れてしまいそうです。
庭園の景観に溶け込む四阿(あずまや)
菖蒲田にかかる八つ橋
海の庭
箱根越えの石畳を思い出させる玉石の延段と、伊豆の代表的な風景である城ヶ崎・七滝・石廊崎・堂ヶ島・三滝・大瀬崎を池の石組みで表現した荒磯周辺。また州浜が広がる松原周辺は、伸びやかで悠々とした「海の庭」です。
三保の松原を再現した洲浜
伊豆の風景などを表現した荒磯
山里の庭
茶畑に見立てたサツキの畝と芝に囲まれた築山は、駿河の国の象徴・富士山。紅葉山庭園の中心となり、中腹の展望台からは庭園全体が見渡せます。また築山足元のゴロタ州浜は、穏やかな安倍川の流れを表現したもの。山から里へ、高低の変化も楽しい「山里の庭」です。
駿河の雄大で美しい景観が、
清涼な水面に映える。
中腹展望台からの眺め。
山の庭
築山中腹からの斜路は、ツタのからまる樹木が茂る山間の小径。このつたの細道を、曲がりくねって落ちる川の流れと紅葉谷を眺めながら行くと、奥には爽快な滝がひかえます。木漏れ日さす山道から滝へ、「山の庭」は回遊散策のクライマックスを演出します。
飛沫も涼しげな左右2本・二段落ちの滝
腰掛待合から清月庵の躙口へ、
沓脱石・二番石・三番石と続く路地の飛び石
庭園散策の途中で、気軽に茶の湯が楽しめるように設けられた立礼席(喫茶と茶菓子は別途有料)。
伝統の様式の中にもモダンな雰囲気が漂う。